2017年12月23日土曜日

三菱地所、「青山ベルコモンズ」跡の建て替えに着手

 三菱地所は2020年4月の完成を目指し、東京・北青山で地上20階建ての複合ビルの建設工事に着手した。オフィスやホテル、商業施設などが入る。20年の東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場にも近く、観戦客や買い物客らの利用も見込む。
北青山周辺は東京五輪でにぎわいが見込まれる(イメージ)
北青山周辺は東京五輪でにぎわいが見込まれる(イメージ)
 新たなビルは商業ビル「青山ベルコモンズ」跡の建て替えで、延べ床面積は約2万3000平方メートル。低層階は商業ゾーン、中層階はオフィスやコワーキングスペース、高層階はホテルにする。
 青山通りと外苑西通りの交差点に面し、東京メトロ銀座線の外苑前駅から徒歩3分の好立地。新国立競技場が徒歩圏で、周辺エリアの開発も活発だ。三菱地所は地盤とする大手町・丸の内・有楽町以外の地域での存在感を高める契機の一つにする。

2017年12月20日水曜日

マンション販売ひと工夫 相続解説やカフェ併設

 不動産各社がマンション販売で知恵を競っている。三井不動産系の販売会社は相続税対策を解説し「2室目の購入」を狙う。野村不動産は販売拠点にカフェを併設し、購入者の友人らの需要を掘り起こす。2027年のリニア中央新幹線開業をにらみ、マンション建設が相次いでいることから購入意欲を刺激する一工夫で顧客を呼び込もうとしている。
野村不動産は仮想現実(VR)機器を活用し、内見できる設備を11月に導入(名古屋市中区)
野村不動産は仮想現実(VR)機器を活用し、内見できる設備を11月に導入(名古屋市中区)
 「貯金など金融資産を相続するより、タワーマンションの部屋を購入すれば相続税が安くなる場合もあります」。三井不動産リアルティは名古屋市内にこのほど設けた販売拠点で、税理士など専門家による相続対策セミナーを開いている。
 「2軒目、3軒目のマンション購入を考える需要を取り込む」(中部支店の中沢健一次長)のが狙いだ。政府は過度な相続税節税の防止策強化を検討しているが、相続時に有利とみた需要は根強い。セミナールームで説明するとともに富裕層から相続税などについて相談に乗ることで、手ごろな価格帯や立地のマンションの提案につなげる。
 野村不動産はマンションを購入予定の消費者だけでなく、購入者の友人らへの提案も狙う。このため同社が販売拠点に併設したのが無料でコーヒーやジュースなどを飲むことができるカフェだ。
 同社でマンションを購入した消費者なら本人だけでなく、友人も一緒に無料でカフェを楽しめ「毎日来る人もいる」(同社)という。マンションの外観と共用部分を仮想現実(VR)で体験できる機器も導入した。買い物のときなどに休憩してもらい、マンションに関心を持ってもらう。
不動産各社の主な取り組み
不動産各社の主な取り組み
 セキスイハイム東海(浜松市)が目玉にするのは酸素ルームだ。酸素ルームは新陳代謝を高めて疲労を回復させる効果があるとされ、人気を集めている。同社は名古屋市内の白川公園近くに20年3月に完成予定の高層マンションに入居者専用の酸素ルームを設置する。
 同社はモデルルームと営業拠点を兼ねた名古屋本部を8月に開設し、名古屋のマンション販売に進出した。ここで酸素ルームを無料で体験できるようにした。「注文住宅のノウハウを生かし、間取りの変更も柔軟に対応できる。名古屋では高級路線で展開したい」(加藤正明社長)という。
 名古屋では地価上昇を背景にマンションも値上がり傾向にある。販売会社にとって都心部に住む富裕層のセカンドハウス購入といった需要をきめ細かく取り込むことが重要になる。(浅山亮、広沢まゆみ)

2017年12月19日火曜日

六本木ヒルズにコワーキングスペース/森ビル

森ビル(株)は18日、六本木ヒルズ森タワー(東京都港区)内に、コワーキングスペース「PARK6」をオープンした。
 ワーク・カフェ・パブリックの3つのスペースで構成。ワークスペースには45席の個人席や会議室を設置。多様な働き方に対応するため、「時間課金システム」を採用し、Web上で予約可能としている。個人席は1時間当たり800円~、会議室は4,000円。また、ビジネスやデザインに関する書籍を自由に閲覧できるライブラリーやマッサージチェアでくつろげるリラクゼーションエリアも併設した。カフェとパブリックスペースは予約なしで誰でも利用可能。カフェではアルコールや料理も提供するほか、パブリックスペースは公園をイメージして、緑を多くリラックスできる空間に仕上げている。
 同ビルウェストウォーク6階に位置。面積は約158坪。
 なお、23~25日の3日間限定で、森ビルのオフィス利用者やそのファミリー向けに無料で開放。ドリンク・スイーツをフリー提供するほか、キッズスペースを用意し、クリスマスオーナメントを作るワークショップも開催する。職住近接のヒルズエリアならではの、新しく豊かな働き方を提案する。

2017年12月18日月曜日

グッドルーム、賃貸物件初期費用を軽減 月額1980円の会員制

 賃貸物件紹介サイトを運営するグッドルーム(東京・渋谷、小倉弘之社長)は、入居時にかかる費用を抑えられる会員制度を導入した。税別で月額1980円の定額制で、保証会社への手数料が無料になったり、仲介手数料を安く抑えたりできる。初期費用を安くすることで、気軽に引っ越しができる環境をつくる。
グッドルームはグループ企業にリノベーション施工会社を持つ
グッドルームはグループ企業にリノベーション施工会社を持つ
 グッドルームは、リノベーション済み物件に特化した紹介サイトを運営している。新たな会員制度「CLUB TOMOS」に入ると、一般的に1カ月分の家賃の半額が相場の保証会社の手数料が無料になるほか、仲介手数料を割安にする。引っ越し先に不満があれば、3カ月以内であれば仲介手数料を全額返金する。
 引っ越しがしたくても、仲介手数料や礼金など初期費用がかかるため二の足を踏んでいる消費者に提案する。初年度に300件の契約をめざす。

2017年12月15日金曜日

買取再販に係る特例措置、敷地まで拡充

政府与党は14日、「平成30年度税制改正大綱」を決定した。
 住宅・不動産関連では、不動産取得税について、既存住宅を取得後に耐震改修を行なった場合の特例措置と、買取再販業者が住宅を取得し個人に販売する場合の特例措置が敷地まで拡充される。いずれも、床面積の2倍(200平方メートル限度)相当額の減額と同様とする。買取再販は、2019年3月末まで。このほか、住宅及び土地に係る不動産取得税の特例措置(本則4%→3%)も3年間延長となった。
 固定資産税については、新築住宅に係る税額の減額措置の適用期限が2年間延長となったほか、耐震改修を行なった住宅に係る減額措置の適用期限も2年間延長される。バリアフリー改修を行なった住宅の減額措置については、床面積上限(280平方メートル以下)としたうえで、2年間延長される。
 土地に係る固定資産税の負担調整措置は、18~20年度まで、現行の負担調整措置や条例による減額制度を継続するとした。
 このほか、居住用財産の買換え等の譲渡損失繰越控除等の適用期限2年延長、特定居住用財産の譲渡損失の繰り越控除等の2年延長なども盛り込まれた。

2017年12月13日水曜日

所有者不明土地の円滑利用で中間とりまとめ

 国土交通省は12日、国土審議会土地政策分科会特別部会(部会長:早稲田大学大学院法務研究科教授・山野目 章夫氏)において検討を進めてきた、所有者不明土地の円滑な利用を可能にする制度等に関する中間とりまとめを発表した。
 (1)所有者不明土地を円滑に利用する仕組み、(2)所有者の探索を合理化する仕組み、(3)所有者不明土地の適切な管理のための措置、(4)地方公共団体や民間主体への支援・サポートで構成。
 円滑利用の仕組みでは、収用手続の合理化・円滑化(道路・河川等の公共事業)や、収用制度の対象とならない公共的事業への対応(地域住民等のための公共的事業)が必要であるとした。特に後者では、原則として、登記簿、住民票、戸籍など、客観性の高い公的書類の調査を行なえば、都道府県知事が一定期間(最低5年間程度)の利用権を設定できるようにする。所有者が現れ、明け渡しを求めた場合には期間終了後に原状回復を、異議がない場合は延長可能とするなどの制度を提案した。
 探索の合理化では、固定資産課税台帳、地籍調査票、インフラ業者保有情報など有益な所有者情報を、行政機関等が利用可能にすべきとした。また、地元精通者等にも行なっていた聞き取り調査の範囲を合理化・明確化(親族等に限定)することも記載した。

2017年12月12日火曜日

新橋四丁目のビル名「新虎通りCORE」に

森ビル(株)は、大林新星和不動産(株)と共に推進している「(仮称)新橋四丁目計画」を9日に上棟。同計画の施設名称およびオフィステナントを決定した。
 新虎通り沿道において推進されている街区の統合・再編を実現する第1号プロジェクト。同社の「通称:ナンバービル」の一つであった「新橋29森ビル」(1975年竣工)跡地の再開発でもある。新虎通りの中心、日比谷通りとの交差点に位置する。敷地面積1,524平方メートル、延床面積約1万7,500平方メートル。鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造地上15階地下1階塔屋1階建て。オフィスおよび店舗・イベントスペースからなる複合施設。
 オフィス(4~14階)は、総貸室面積約1万平方メートル、基準階面積約860平方メートル、基準階天井高2.8m。床から天井までのフルハイトサッシや明るさセンサーで照度を調節するLED照明などを採用する。共用部として、リフレッシュコーナー、女性トイレにはパウダーコーナーと小物入れを備えるほか、ルーフトップガーデンも設置。(株)クリーク・アンド・リバー社(東京都千代田区、代表取締役社長:井川幸広氏)および同社グループ企業の入居が決まっている。3階には600平方メートル超のインキュベーションオフィス、1・2階には商業施設を設け、新虎通りに面する区画には、通りと連動したイベントも開催可能なスペースを開設する。
 施設名称は「新虎通りCORE(コア)」に決定。東京の新たなシンボルストリート「新虎通り」の核(=CORE)となる沿道開発のモデル事業として、にぎわいづくりの拠点となることで、「国際新都心・グローバルビジネスセンター」を目指す虎ノ門・新橋エリアの進化・発展に寄与する。
 2018年9月に竣工予定。